Japanese Dining for the Seasons|Seasonal Ingredients to Enjoy the Fragrance of Early Summer

青葉が茂り、風に涼しさが混じりはじめる初夏。緑の深みが増すとともに、食卓にも清涼感あふれる旬の食材が並ぶ季節です。さっぱりとした旨み、香りの強さ、そして色の鮮やかさ、初夏ならではの食材が、心と体を軽やかに整えてくれるそんな季節の食材をご紹介いたします。

魚介

01 鱧(はも)

おすすめの食べ方
牡丹鱧(落とし)、しゃぶしゃぶ、天ぷら、照り焼き。湯引きにして梅肉や酢味噌とともに。祇園祭の季節には欠かせない京の夏の味覚。

栄養・効能
タンパク質が豊富で脂肪が少なく、消化吸収に優れた夏向きの魚。骨にはカルシウムが多く、骨切りにした骨せんべいも栄養価が高い。

02 鮎(あゆ)

おすすめの食べ方
塩焼き、甘露煮、天ぷら、なれ寿司。背腸ごと串に刺してじっくり焼く塩焼きが定番。はらわたの苦みが夏の滋味。

栄養・効能
ビタミンDやカルシウムが豊富。独特の香りはキュウリに似た成分によるもので、食欲を刺激し夏バテ予防にも効果的。

03 鰹(初鰹)

おすすめの食べ方
たたき(藁焼き)、刺身、漬け丼。薬味にたっぷりの新生姜・みょうが・青ねぎを添えて。さっぱりとした初鰹は醤油より塩で食べるのも旨い。

栄養・効能
DHAとEPAが豊富で血流改善・脳活性化に。鉄分・ビタミンB12が多く、疲労回復に優れた初夏の魚。

豆・水草

04 空豆(そらまめ)

おすすめの食べ方
塩茹で、焼き空豆(さやごと炭火で)、かき揚げ、豆ご飯。旬の短さが愛される初夏限定の豆。茹でたてに塩をふるだけでも十分美味しく召し上がれます。

栄養・効能
植物性タンパク質・ビタミンB1が豊富。疲労回復や精神安定に役立つほか、食物繊維が腸内環境を整える。

05 じゅんさい蓴菜

おすすめの食べ方
酢の物、吸い物、冷やし鉢。透明なぬめりをまとったつるりとした食感が涼を呼ぶ。土佐酢ジュレや出汁ゼリーとの相性が格別。

栄養・効能
ムチンを含む独特のぬめりが消化器の粘膜を保護。抗酸化作用のあるフコイダンも豊富で、免疫力アップに期待。

野菜・薬味

06 新生姜しんしょうが

おすすめの食べ方
甘酢漬け(はじかみ)、新生姜ご飯、天ぷら、佃煮。鰹のたたきや鮎の塩焼きの薬味としても欠かせない。辛みが穏やかで香り豊か。

栄養・効能
ショウガオールとジンゲロールが体を内側から温め、血行を促進。殺菌・抗炎症作用があり、夏の食欲不振にも効果的。

07 みょうが茗荷

おすすめの食べ方
薬味、甘酢漬け、天ぷら、みょうがの刻み冷奴。刺身・そうめんの薬味として、初夏の食卓になくてはならない存在。

栄養・効能
独特の香り成分アルファピネンが自律神経に働きかけ、発汗を促して体温調整を助ける。食欲増進・消化促進にも。

08 ホワイトアスパラ

おすすめの食べ方
塩茹でしてバターや出汁醤油で、天ぷら、白和え。繊細な甘みと柔らかな苦みが和の出汁とも好相性。グリーンアスパラより甘みが強く風味豊か。

栄養・効能
アスパラギン酸が疲労回復・利尿作用に優れ、初夏のむくみ対策にも有効。ルチンが毛細血管を強化し血流改善にも。

蘇民将来之子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)

疫病除けの呪文として古くから伝わる言葉。旅人に宿を貸した蘇民将来が、神(武塔天神=スサノオ)から茅の輪と引き換えに子孫の加護を約束されたという説話に由来。夏越の祓の茅の輪くぐりや、祇園祭の粽(ちまき)に記されることで知られる。

果実・野菜

09 梅

おすすめの食べ方
梅干し、梅酒、梅シロップ、梅味噌、梅肉和え。青梅はシロップや酒に、完熟梅は干したり醤油漬けに。料理の酸味づけとしても万能。

栄養・効能
クエン酸が疲労物質の分解を促進し、夏バテ予防・疲労回復に最適。殺菌・防腐作用も高く、古来より日本の食を守ってきた食材。

10 ベビーコーンヤングコーン

おすすめの食べ方
天ぷら、炊き合わせ、焼き浸し、素揚げ。皮ごと炭火で焼くと甘みが凝縮され香ばしさが増す。先付けや前菜の彩りにも重宝する。

栄養・効能
芯まで丸ごと食べられるためビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富。葉酸も多く含み、初夏の栄養補給に適した食材。

6月の特別な和菓子

6月30日 夏越の祓

水無月 みなづき / 京都発祥の伝統和菓子

白い外郎(ういろう)生地の上に甘く煮た小豆をのせ、三角形に切り分けた夏の和菓子。三角形は暑気払いの氷をかたどり、小豆は邪気を払うとされます。毎年6月30日の「夏越の祓」に食べることで、半年の穢れを清め、残り半年の無病息災を祈る——京都では今も多くの家庭に受け継がれる風習です。

治作では6月のデザートに手作りの水無月をご用意しております。

旬の食材は、もっともおいしく食べられる時期に、最もよい栄養を持っています。
初夏の恵みを和の食卓で、丁寧に味わいましょう。